東京では桜開花のピークを迎えうららかな春日和となった3月31日夜。
フェンダーローズに愛された男、猪野秀史による東京初のLiveSetが恵比寿LIQUIDROOMにて行われた。アルバム「Satisfaction」 を聞き込んだ筆者はプレイヤーもクラウドもゆったりとリラックスした会場をイメージしていたのだが、会場は予想外にすし詰めで高密度なクラウドがごった返 し、熱気が渦巻いていた。猪野秀史が登場しクラウドのキモチが一気に昂ぶると、ゆらゆらと煌めくライトワークとともにダビーである種暴力的な電子ノイズが 咆哮し、 フロアは一気に幻想的な世界に染まったところでMadsummer Reminiscenceの印象的なフレーズが奏でられLive開始。 音源を聴くのとはまた異なり、視覚聴覚そしてLiveゆえの身体感覚をダイレクトに刺激されたクラウドは思わず歓声をあげる。 今回のLiveでは猪野秀史が様々な楽器を操る独特のセットとなっており、最初の1曲が終わるとマリンバアレンジによる「さくら さくら」が奏でられ旬な選曲によって幸福な気分に浸された。その後はダークで分厚いビートと明るく爽やかなリフが印象的なSolid Foundation、個人的には孤高のキラーチューンSpartacusと続き人間味溢れる豊かなライティングもあって恍惚とした雰囲気がフロアに満ち あふれた頃、猪野秀史からスペシャルゲストのコールが掛かりイノセントな白さを放つアコースティックギターを携えて藤原ヒロシが登場。 藤原ヒロシと言えば筆者にはDJのイメージが強かったのだが、The Style Council- My ever changing mood、Culture Club-Do you really want to hurt meを素敵で艶のあるボーカルでカバーしフロアの感情も静かにグッと盛り上がる展開となった。意外で豪華なゲストを堪能したところで本日2人目のスペシャ ルゲスト、なんと小西康陽が、それもなんと生ベース演奏として登場するとフロアは一時騒然となったほどだった。 太くて生々しいベースを交え落ちついた雰囲気のNever Can Say Goodbyeが演奏されフロアから歓喜の拍手の中、小西康陽がステージを去ると宴はいよいよ終盤に突入。興奮したクラウドを美しさでもってなだめるよう なBehind the Rainbow、タイトでブラックなリズムで軽く体温が上がるBillie Jean、そして締めは愛の讃歌で本編を終えた。アンコールではか細くも力強いSpartacusのリフで思わずテンションが高まってしまうLove Theme From Spartacus (#Piano)、そしてラストJr. Grover WashingtonのJust the Two of Usでグルーブ感たっぷりのリズムへ応えるようにフェンダーローズが情熱的に鳴り響き宴は終了した。実際には約1時間半に及ぶライブだったが、素敵な時間 は過ぎるのが早いを地でいくような感覚で、30分も経っていないかのような濃密な時間だった。
2many djsのパーティではおなじみとなった、すし詰め/低酸素のフロアではULTRA BRAiNが提唱するネオ・パンクなSetをクラウドが楽しんでいるところから筆者は参加することに。ULTRA BRAiN終盤のNINJA NIGHT SCHOOLではアグレッシブなVibesをDJが吐き出しているところでなんとテンションのあがりすぎたULTRA BRAiNメンバーがフロアにダイブ!クラブイベントではなかなかお目にかかれないロックな光景に度肝を抜かれた。その後は熱狂さめやらぬといった様子の ULTRA BRAiNによるMCで2many djsの名前がコールされ、Dewaele兄弟が登場。
Guns N’ Rosesを思わせるハードなギターソロをドロップ。壁面にレーザーで描き出された2many djsの文字が踊るなか、Dewaele兄弟を待ちわびたクラウド達と熱狂の宴は始まった。Madonna – MusicやNewOrder – Blue Mondayといったポップな名曲もDewaele兄弟とそのクラウドにかかれば気分を高揚させる燃料として大歓迎され、SWITCH – A BIT PATCHYやVitalic – La Rock 01といったクラブアンセムがドロップされると、セキュリティも2人がかりで柵を支えざるを得ない大狂乱状態に。Justice vs. Simian – We Are Your Friendsではお約束のサビを大合唱して一体になり、Primal Scream – Rocksやsoulwax – NY Excuse等2many djsフリークにはおなじみのトラックに90年代を感じさせるダンス甲子園をネタに使ったVJも入り交じると、WOMBの内壁もじっとり結露するほどクラ ウドは踊り狂い、発汗した。そして2many djsによるボーダレスなセットが終了すると、トリをつとめる田中知之 (Fantastic Plastic Machine)氏のDJがスタート。Smells Like Teen spiritsのリミックスから始まるロッキンなセットでこの夜を締めくくった。
2日間開催された2many djsパーティ。この日は「OLD SKOOL 2MANYDJS SET」をコンセプトに、2many djsの認知を一気に押し上げたAs Heard On Radiosoulwaxシリーズを彷彿とさせるような、ポップ・ロック・エレクトロが入り交じるカオティックな展開でまさにお祭り騒ぎに騒いだ一夜と なった。